ミルトン・エリクソンは、催眠テクニックを通して、多くの患者を治療し、精神的にもサポートした人物です。
「うつ病患者も治療し治していた」というコトを知り、すごく興味を持ってしまいました。
そこで、ミルトン・エリクソン関係の本がないか探していた時に、出会った本があります。
それは、『ミルトン・エリクソンの催眠テクニックⅠ』と
『ミルトン・エリクソンの催眠テクニックⅡ』です。
著 者:リチャード・バンドラー/ジョン・グリンダ―/ジュディス・ディロージャ(Ⅱのみ)
訳 者:浅田仁子
出版社:春愁社
発 行:2012年4月30日(Ⅰ、Ⅱ共に同日時に発行)
今回は、
・ミルトン・エリクソンに夢中になってしまった経緯
・『ミルトン・エリクソンの催眠テクニックⅠ、Ⅱ』から
- 名前を入れる場所による感じ方の違い
- 相手を心地良くする言葉の感覚
- イメージしやすい伝え方
を紹介したいと思います。
ミルトン・エリクソンに夢中になってしまった経緯
橘玲さんの著書『裏道を行け』を読んでいた時に、ミルトン・エリクソンを知りました。
そこから、You Tubeで検索し
ミルトン・エリクソンについて解説しているチャンネルを見つけます。
それは、
『不思議チャンネル』です!
- 好きな男性がいるけれど、自分の前歯が隙間が空いているので告白できない女性の相談を解決する話し
- 大学の講座を受講している女学生の結婚相手を催眠を通して、後日、当ててしまう話し
- 貧困家庭で育った青年が数年の催眠療法を受けることで、段々と人生が良くなる話し
『不思議チャンネル』でのミルトン・エリクソンのエピソードは
- 感動してしまう内容
- 興味がそそられる内容
でした!(*^▽^*)
その内容を知って、ますます、夢中になってしまい
「ミルトン・エリクソン関係の本を読みたい!」
となり、そんな時に
『ミルトン・エリクソンの催眠テクニックⅠ、Ⅱ』の本に出会いました!
ミルトン・エリクソンを調べてみました。
・78年の生涯 (1901年12月5日~1980年3月25日)
・催眠療法家として知られる精神科医、心理学者
・17歳の時にポリオ発症。目と(耳と思考力※1)を除く全身が麻痺してしまう
・ポリオが療養中に家族(両親や8人の兄弟※1)を観察
・観察により、言葉のダブルテイク(ある言葉が2重の解釈を許すこと)、トリプルテイク(ある言葉が3重の解釈を許すこと)の発見。
・言葉の命令的側面(例「窓が開いていますね」が「窓を閉めてください」との命令を含意しうる事)を理解。
・精神医学も催眠も独学であった。
※1 耳と思考力、両親や8人の兄弟に関しては、『ミルトン・エリクソンの催眠テクニックⅠ』のまえがきを参考。
上記の記事は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されたウィキペディアの項目『ミルトン・エリクソン』を素材として二次利用しています。(2022年10月現在)
名前を入れる場所による感じ方の違い
私たちは、人の名前を
- 話す前
- 話している途中
- 話した後
に入れます。
私、クローバーは何気なく人の名前を入れていました。
特に深い意味も考えずに。
『ミルトン・エリクソンの催眠テクニックⅠ』の182頁を読んでいた時にハッとしました!?
名前を文章のどこに入れるかで、同じ文章を読んだ時の感じ方、受け取り方が全く違ってくるのです。
クローバーは、40年以上生きてきましたが、ちょっと語順が違うだけで、こんなにも感じ方、受け取りが変わるのか~とビックリしてしまいました。
例えば
これに、太郎を入れていきます。
- 人はこの音楽を聴いている間にリラックスすることができます、太郎。
- 太郎、人はこの音楽を聴いている間にリラックスすることができます。
- 人は、太郎、この音楽を聴いている間にリラックスすることができます。
- 人はこの音楽を聴いている間にリラックスすることが、太郎、できます。
- 人はこの音楽を聴いている間に、太郎、リラックスすることができます。
≪クローバーの直観的な見解≫
- は、太郎に向かって、全体の文章を伝える感じがします。
- は、太郎と最初に言うコトで、これから話す内容に注意を向けなさい、という感覚を受けます。
- は、人(みんな)は、が強調されている感覚を受けます。
- は、人はこの音楽を聴いている間にリラックスすることが、太郎ならできるよ!と言っている感じがします。
- は、この音楽を聴いている間、太郎にリラックスしなさい、という感じがします。
このように、どのタイミングで人の名前を入れるのがで、全部の意味、解釈が変わってきます。
体系的に説明されると、意外な発見ができますね!
相手を心地良くする言葉の感覚
人は、言葉を聞き、そこから色々と想像(イメージ)し、その結果、言葉を返したり、行動します。
- 入力チャネル
- 表象システム
- 出力チャネル
との表現で説明されています。
たとえば、
人は言葉を聞き(入力チャネル)、
イメージを描き(表象システム)、
拳を叩きつけてそれを表現する(出力チャネル)ことができる(後略)。引用元:『ミルトン・エリクソンの催眠テクニックⅠ』 9~10頁
その中でも、人の感覚(表象システム)がキーワードになってきます。
3つ感覚(表象システム)
- 視覚
- 触覚(触運動覚)
- 聴覚
人は、上記の3つ感覚のどれか一つに心地良い感覚を持っています。
(前略) たいていの人には特に高く評価している表象システムがひとつあり、 (中略) その人の話し言葉に出てくる叙述語(形容詞、副詞、動詞)を聴いているとすぐに特定できるということである。
たとえば、視覚を特に重視している人は、視覚システムを前提とする叙述語を使って自分の体験を描写する。
触運動覚を特に高く評価している人は、触運動覚システムを前提とする叙述語を使う。
聴覚を主たる表象システムとする人は、聴覚システムを前提とする叙述語を使う。
引用元:『ミルトン・エリクソンの催眠テクニックⅠ』 9頁
この3つの感覚
- 視覚
- 触覚(触運動覚)
- 聴覚
の、どの感覚が相手の心地良い感覚かを知るコトで
相手の話しの理解度や共感能力が高まる、と感じました。
相手が視覚についての感覚が鋭敏なら
視覚をイメージする言葉を入れながら話しを展開するコトで、相手に自分の話しが伝わりやすくなります。
触運動覚について、今まで
クローバーは、特に注意を払ったコトがありませんでした。
人には、クセがあるように言葉に関しても
- 多く使う言葉
- 意外に使っている言葉
- 気にしていないだけで多用している言葉
等があると感じました。
自分に取っても。
相手を知る上でも、人の話しを良く聞くというコトは大切だと痛感しました。
これからは、人の話しを聞くのと同時に、この人は
- 視覚の分野の言葉をよく使うのか
- 聴覚の分野なのか
- それとも、触運動覚の分野なのか
を検討しながら相手の話しをていねいに耳を傾けようと思った次第です。
『ミルトン・エリクソンの催眠テクニックⅠ』より視覚、触運動覚、聴覚の例えを引用します。
視覚
「あなたのいいたいことが見えてきました/
くっきりと/
この仕事を見ていれば、あなたにも自分の仕事の改善法が明らかになるはずだ/
これがどれだけ見栄えのしない見解に映るか、イメージしてごらん」(中略)触運動覚 (中略)
「このコンセプトをしっかりつかんでいただきたい/
骨の折れる問題も、君なら乗り越えられる気がする/(中略)
この意味するところを把握する」 (中略)聴覚 (中略)
「おもしろそうに聞こえる/
あとで話がある/
すぐに彼の意見を聞くつもりだ
/別の言い方をすれば(後略)」引用元:『ミルトン・エリクソンの催眠テクニックⅠ』 9頁
自分に対しても、どの感覚が心地良いのか自分の言葉のクセに注意を向けていこうと思いました!(*^▽^*)
イメージしやすい伝え方
クローバーは、話しをするのが、どちらかというと苦手です。
話す時は、つい思い浮かんだコトを直観的に、思いつくままに、話してしまいます。
そのコトによって
話しが整理されていないので、相手が理解できず、相手の顔に「?マーク」がピカピカしている時があります。(>_<)
「何とかならないかな~」と毎回、思ってしまいます。
そんな時に、『ミルトン・エリクソンの催眠テクニックⅡ』を読んでいて、合点がきた(ひらめいた)文章がありました。
(前略)四要素から成る集合「4タップル」である。
これを使えば、(中略) 体験を目で見てわかるように表わすことができる。
V、K、At、O (中略)
Vは「視覚」が、
Kは「触運動覚」が、
Atは音の特性を捉える「トナル聴覚」が、
Oは「嗅覚」が働いた体験
(中略)を表す指標である。引用元:『ミルトン・エリクソンの催眠テクニックⅡ』 14頁
上記の文章になぜ、合点がきた(ひらめいた)か?
それは、「自分の体験を描写するのに、相手がイメージしやすくなり、理解度も増すだろうな~」と思ったからです。
特に、嗅覚を伝えるコトをほとんどしていませんでした。(>_<)
食事の内容を話す時には、かろうじで使いますが、ほとんど使用していませんでした。
嗅覚について改めて考えてみました
-
- ヒノキ風呂に入ったとしたら、ヒノキの心地よい香り
- 焚火をしていたら、何かを燃やしているにおい
- 秋に咲く花を例えに、金木犀の香り等
「食べ物以外にも、見落としているだけで色々あるな~」と感じました。
クローバーは、サイクリングが趣味です!
例えば、その趣味を視覚、触運動覚、聴覚、嗅覚を取り入れて説明したいと思います。
クローバーは、サイクリングするのが好きです。
土手沿いをサイクリングしていると、春には、桜や菜の花が目に飛び込んできます。
遠くで、うぐいすの鳴き声が聞こえます。
うぐいすの鳴き声を聴いているだけで、心が癒されます。
自転車のグリップを持つ感覚、
ペダルを踏みしめる足の裏の感覚、
体の全面に当たる風の感覚、
どれも心地よい気分になってきます。
土手沿いの田舎の風景から、家の近所にたどり着く頃には、夕日が沈もうとしています。
各家庭の夕食の匂いがしてきます。
この家の夕ご飯はカレーだな!
こっちは、うなぎのかば焼きか!?
料理の匂いを嗅ぐだけで、お腹がグ~となるクローバーでした!!(笑)
「何かを説明するにも、視覚、触運動覚、聴覚、嗅覚を意識するだけで、話しに奥行きが出てくるな~」感じがします。
最後に
精神科医、心理学者のミルトン・エリクソンの驚異的な催眠テクニックを知ってから、すごく、すごくミルトン・エリクソンに興味を持ってしまいました。
『ミルトン・エリクソンの催眠テクニックⅠ、Ⅱ』を読み進めるうちに、自分に不足していたスキルを学ぶコトができました。
ミルトン・エリクソンを知れば知る程、目の前の患者さんを治すのに、
- 全力で治したい!
- 治癒して人生を楽しんでもらいたい!
という想いを感じました。
そのタメに、言葉の意味を深く理解し、催眠をするのに相手のどの感覚が優れているのかを判断し、また、判断するタメの材料を研究していたのだと思います。
ミルトン・エリクソンの所に訪れた患者さんはほぼ治癒したと言われています。
また、人生も好転した人も多数います。
『ミルトン・エリクソンの催眠テクニックⅠ、Ⅱ』には、クローバーが述べた他に、そのタイトル通り、催眠テクニックが丁寧に描かれています。
催眠テクニックを知りたい方にもおススメな本となっています。
興味を持たれた方は、一度読んで頂けると何かしらの役に立つと思われます。
また、途中で紹介した橘玲さん著書『裏道を行け』にも、ミルトン・エリクソンのコトや人生を攻略する方法が紹介されています。
興味を持たれた方は、合わせて、どうぞ!
今回の内容を読むコトで少しでもお役に
立てていただけたら『しあわせ』です♪
最後まで読んでいただき
ありがとうございま~す!(*^▽^*)
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